『おそ松くん』

『おそ松さん』の松野家の六つ子ブームは物凄いものがありましたが、私はどうしても、1980年代半ば~後期に放送されていた『おそ松くん』の方が好きです。
「やはり六つ子は脇役だよな」という印象がどうしてもあるもので。原作でも、最後の方ではイヤミやチビ太が完全に主役になっていました。
赤塚不二夫さんが多才かつ多趣味な方だったので、パロディや感動的な作品、ナンセンスといった様々な方面の話をつくることができたアニメでした。
感動的な話では「チビ太はママになりました」というのが好きです。捨て子を見つけ、自分自身が貧乏していながらも彼を懸命に育てようとしているチビ太に対して、悪態をつきながらもイヤミが陰となり日向となり援助してやり、母親の元にその子が戻ってガッカリしているチビ太を慰めるためにおでんを屋台ごと差し入れてあげる、という普段のイヤミらしからぬ行動が心に沁みました。
その一方で「カメラの前でびろーんザンス」という回では、「カメラを見ると顔面をびろーんとしてしまう不治の病」という謎の設定で、カメラを壊しまくり町中から恐れられるイヤミをいかにして食い止めるか、ということに絞った話の展開が強引かつパワフルでした。
どんな役でもこなすダヨーンとデカパンの2人が、前者は清廉潔白な政治家として、後者は悪辣な大企業の社長となり、ハタ坊演じる正義のスナイパーと関わっていく「ハタ坊は正義の味方だジョー」という、ゴルゴ13を意識したエピソードも好きです。
最終回では、イヤミとチビ太がいつも通りさんざん騒動を起こした挙句、それを追いかける面々もろとも、アメリカに渡って話を続けようとする、というパワフルかつバブルを感じさせる、印象深い終わり方でした。

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