この作品のいいところは、ストレートに言うと、クイーンの名曲たちがたくさん出てくる所、制作シーンのカットの中からクイーン好きの方も新しい視点でその曲と出会えることであろうと思います。
 これは、僕が不勉強なだけなのかもしれませんが、リオデジャネイロのライブで観客が突然一緒になって歌いはじめ、ライブに観客をもっと巻き込めないか、一緒になれないかという発想で作られた曲が、『We will rock you』なんだそうです。
 また、この映画のタイトルにもなっている『Bohemian Rhapsody』は、自信作であったにも関わらず6分間もあって当時のラジオでは流しづらいという理由だけでレコード会社から「この曲はだめだ」といわれるところから始まったというのも初めて知りました。
 この映画で最も印象に残っているのは、フレディ・マーキュリーが、まだ普通の人だった時代に自らボーカルがいなくなったブライアン・メイたちのバンドに売り込みに行くというかけを演じたシーンです。
 自分は、どういう能力があって、どういう生き方をしたいそういうのがはっきりないとそこまでのことはできないと思います。しかも、その当時まったく鳴かず飛ばずだった無名のバンドに売り込みに行くというのは、実は未来人なのではないかと言いたくなるくらいで鳥肌が立ちました。
 フレディには、小さいころからお父さんから言われていた教えがあります。それは、「善き考え、善き言葉、善き行いをする」ということなんだそうです。しかし、フレディは、「そうしていいことあった?」と、この教えを素直に受け入れることができませんでした。
 ところが、「1億人の飢餓を救う」というスローガンのもと行われたLIVE AIDでクイーンは他の出演者を圧倒する6曲を披露しました。「善き考え、善き言葉、善き行い」をした瞬間でした。
 エイズに感染していると分かったフレディがメンバーのみんなにこんな言葉を言います。「俺が何者であるかは俺自身が決める。」、とてもいいセリフだと思いました。彼は何によっても拘束されない、何かを常に超越ししているそんな存在であったのだと思います。